- 監修:
- 独立行政法人国立病院機構三重病院 副院長 菅 秀 先生
- ポリオとは
- 「小児まひ」とも呼ばれ四肢に麻痺をおこします。日本ではワクチンの高い接種率により自然感染による患者発生はありませんが、ウイルスがいつ海外から入ってくるかわかりません。
ポリオウイルスが人の口から入り、腸の中で増えることで感染します。増えたポリオウイルスは、再び便の中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染します。多くの場合は、感染しても病気としての明らかな症状はあらわれず、知らない間に免疫ができます。 - 百日せきとは
- 風邪のような症状ではじまり、徐々にせきがひどくなり顔をまっ赤にして連続的にせき込むようになります。けいれんや、肺炎・脳症などの重い合併症から命をおとすこともあります。
コンコンとせき込んだ後にヒューという笛のような音を立てて息を吸う特有のせきがでます。また、このせきは連続性・発作性となり長期にわたって続きます。せきが原因で眠れなかったり、顔が腫れることもあります。年齢が低いほど症状は重く、無呼吸発作やけいれんをおこすこともあります。 - ジフテリアとは
- のどや鼻に感染し、症状は発熱、嘔吐、のどの痛み、犬吠え様のせきなどです。偽膜と呼ばれる膜ができ、窒息して亡くなることもあります。
ジフテリアに感染すると、一般に10%程度の方が亡くなるといわれています。特に5歳以下や40歳以上の場合は重症化しやすく、最大で20%の方が亡くなるといわれています。 - 破傷風とは
- 土壌中の菌が傷口から体内に入ることによって感染します。神経麻痺、筋肉の激しいけいれん呼吸困難などをおこし、死亡率が高い病気です。
口が開き難い、顎が疲れるといった症状にはじまり、歩行や排尿・排便の障害などを経て、最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせたり、息ができなくなるなどし、亡くなることもあります。 - 混合ワクチンとは?
- 混合ワクチンは、複数のワクチンがはじめから1本の注射液に混合して含まれているものです。日本では百日せき・ジフテリア・破傷風・ポリオの4種混合ワクチン、麻しん・風しんのMRワクチンなどが混合ワクチンとして接種されています。
複数のワクチンを別々に接種することに比べて、混合ワクチンは注射の回数を減らして子どもたちの負担を少なくすることができるため、世界中で研究を重ねて開発が続けられています。 - 生ワクチンから不活化ワクチンへ
- 日本では、これまで経口生ポリオワクチンによって、ポリオの根絶と維持を行ってきました。しかし、ごくまれに生ワクチンに由来する麻痺(ポリオ症状)が報告されていたことから、生ワクチンから不活化ワクチンへの切り替えが検討されてきました。
その結果、2012年から不活化ポリオワクチンを含む4種混合ワクチンが使用できるようになり、ワクチンに由来する麻痺は報告されなくなりました。 - 4種混合ワクチンを受ける時期は?
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母子健康手帳を見て、お子さんの予防接種歴を確認しましょう。