HPV(ヒトパピローマウイルス)
ワクチン
推奨
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン

  • 定期接種
  • 不活化ワクチン
  • 筋肉内注射

女性の子宮頸がんや尖圭コンジローマなど、HPV疾患を予防するワクチンです。
2価、4価、9価の3種類のワクチンがあり、2価はHPVの16、18型、4価はHPVの6、11、16、18型、9価はHPVの6、11、16、18、31、33、45、52、58型による感染を予防する抗体を事前に作ります。子宮頸がんから検出されるHPVにはこれら以外の型もあり、すべての高リスク型HPV感染は予防できないため、子宮頸がん検診も受診し、ワクチンとセットにして予防を考えましょう。

予防できる感染症

HPV感染症
(子宮頸がん)
HPV(ヒトパピローマウイルス)によって発生する病気です。
感染すると、ウイルスが自然に排除されることが多いですが、そのままとどまることもあります。
長い間排除されずに感染したままでいると子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんなどのがん、尖圭コンジローマなどを引き起こすと考えられています。

接種対象と推奨スケジュール

2価、4価、9価の3種類のワクチンがあり、定期接種で接種することができます(それぞれ接種スケジュールが異なります)。

2価:
中学1年生の間に、1ヵ月以上の間隔をおいて2回接種した後、1回目の接種から5ヵ月以上かつ2回目の接種から2ヵ月半以上の間隔をおいて1回接種します。
4価:
中学1年生の間に、1ヵ月の間隔をおいて2回接種した後、2回目の接種から3ヵ月以上の間隔をおいて1回接種します。
9価:
中学1年生の間に、6ヵ月~12ヵ月の間隔をおいて2回接種します。
なお、15歳以降に1回目の接種をする場合は、2ヵ月の間隔をおいて2回目を接種した後、1回目の接種から6ヵ月以上の間隔をおいて3回目を接種します。
接種スケジュール 参考資料:日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール(2023年4月改訂版)
infomation

「積極的な接種勧奨の一時差し控え」について

2013年4月にHPVワクチンが定期接種化されてから、接種部位以外の体の広い範囲で持続する疼痛などが報告されました。
HPVワクチンの副反応について、これまでに収集された医学的情報をもとに分析・評価された結果、定期接種を中止するほどリスクが高いとは評価されませんでした。
しかし、副反応症例などについて十分に情報提供できない状況にあることから、接種希望者の接種機会は確保しつつ、適切な情報提供ができるまでの間は、積極的な勧奨を一時的に差し控えるべきとされました。

その後継続的に議論されてきましたが、2021年11月の会議にて、安全性について特段の懸念が認められないことが確認されました。
これにより、積極的な接種勧奨の一時差し控えが終了し、積極的勧奨が再開しました。

上記の状況から、平成9年度~平成17年度生まれまで(誕生日が1997年4月2日~2006年4月1日)の女性の中に、通常のHPVワクチンの定期接種の対象年齢の間に接種を逃した方がいらっしゃいます。まだ接種を受けていない方に、あらためて、HPVワクチンの接種の機会をご提供しています(キャッチアップ接種の期間/2022年4月~2025年3月の3年間)。

【参考】
厚生労働省 ホームページ
HPVワクチンに関するQ&A「積極的な勧奨の差し控えについて」
ママ・パパのためのワクチンQA

参照: