子宮頸がん・ヒトパピローマウイルス感染症
子宮頸がん(ヒトパピローマウイルス感染症)とは
- ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症は、HPVによる感染症で、子宮頸がんを始め、肛門がんや尖圭コンジローマなどの原因にもなります。HPVは感染しても70~90%が無症状で1~2年以内に自然消退します。
- 子宮頸がんの最大リスク因子は粘膜型HPVの感染です。
- 国内の子宮頸がんの患者さんは、年間11,000人程度(2017年)と報告されています。最近では、特に若い年齢層(20~39歳)で患者さんが増えており、年代別にみた患者さんの数は、20代後半から増えていき、40代でピークを迎えます。
- 子宮頸部の細胞に異常がない女性のうち、10~20%程度の方がHPVに感染していると報告されています。また、海外では性行為の経験がある女性の50~80%が、生涯で一度はHPVに感染すると報告されています。
- 子宮頸がん検診にて子宮頚部の細胞を調べることでHPVに感染しているかがわかります。
主な症状・経過
- 子宮頸がんは初期の頃にはほとんど症状のないことが多いですが、生理のとき以外の出血や性行為による出血、おりものの増加などが見られることがあります。また、進行した場合には、足腰の痛みや血の混じった尿が見られることもあります。
- 早期に発見されれば、治療により比較的治癒しやすいがんとされています。ただし、他のがんと同様、少しずつ進行していくものですから、発見される時期が遅くなると治療が難しくなります。
特徴
原因となる病原体 | ヒトパピローマウイルス(HPV) |
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感染経路 | 性感染 |
この感染症を予防できるワクチン
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン
※詳しくはかかりつけ医にご相談ください
<接種対象・スケジュール>
HPVワクチンのキャッチアップ接種
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【接種の対象】
次の2つのを満たす方- 平成9年度~平成17年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2006年4月1日の女性
- 過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない
- 【期間】
2022年4月~2025年3月の3年間
国立感染症研究所 予防接種スケジュール より作図
https://www.niid.go.jp/niid/images/vaccine/schedule/2021/JP20210802_03.pdf
参照:
国立感染症研究所 HPVワクチンに関するWHOポジションペーパー 2017https://www.niid.go.jp/niid/ja/route/std/1477-idsc/iasr-out/7389-449f02.html 国立感染症研究所 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンhttps://idsc.niid.go.jp/iasr/29/343/dj3437.html 厚生労働省 HPVワクチンQ&Ahttps://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/qa_shikyukeigan_vaccine.html