麻しん

麻しんとは

麻しん
  • 麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる感染症です。
  • 妊婦が感染すると死産、流産の原因になることもあります。
  • 麻しんワクチン導入前(1965年以前)には、ほとんどの人が15歳までに罹患する感染症でしたが、ワクチン接種率の向上により患者数は減少、最近は年間、数十~数百人で推移しています。また、20歳以上の罹患者が多くなっています。
麻しん患者の年代分布 2008~2019年

(感染症発生動向調査:2020年2月27日現在届出数)

国立感染症研究所 麻疹 2020年2月現在 をもとに作成
https://www.niid.go.jp/niid/ja/measles-m/measles-iasrtpc/9569-482t.html

主な症状・経過

  • 10日程度の潜伏期ののち、発熱や咳などの症状で発症します。38℃前後の発熱が数日間続き倦怠感や咳、鼻みず、くしゃみ、結膜炎症状も現れます。一旦熱は下がりますが再び高熱が出るとともに、発疹が出現します。発疹出現後に続いた発熱は3~4日間で解熱し7~9日で回復へ向かいます。
  • 合併した別の細菌やウイルス等による感染症が重症化する可能性もあります。

特徴

原因となる病原体 麻しんウイルス
感染経路 空気感染、飛沫感染、接触感染
感染力 極めて強い
合併症 肺炎、中耳炎、喉頭炎(クループ)、脳炎などを合併することもまれではありません。脳炎や肺炎を合併すると生命の危険や後遺症の恐れもあります。

この感染症を予防できるワクチン

MR(麻しん風しん混合)ワクチン、麻しんワクチン

※詳しくはかかりつけ医にご相談ください

<接種対象・スケジュール>
任意接種
  • ✓ 過去の罹患歴、接種歴のない感受性者はワクチンによる予防が重要です。
  • ✓ 罹患歴、接種歴があいまいな場合にもワクチン接種が推奨されます。
  • ✓ 罹患歴がない場合、接種回数は1歳以上で2回接種します。
スケジュール表

国立感染症研究所 予防接種スケジュール より作図
https://www.niid.go.jp/niid/images/vaccine/schedule/2021/JP20210802_03.pdf

豆ちしき

麻しんは感染力が強く、また致命率の高い感染症です。麻しん排除を目指して、世界で様々な対策をとっているにもかかわらず、未だ多くの国で流行を繰り返しています。海外との行き来が頻繁な現在、海外からの麻しんウイルスの持ち込みを未然に防ぐことは困難です。麻しんウイルスが持ち込まれても感染が拡大しないような環境を、平時から整えておくことが求められています。そのためには、1)2回の定期接種の接種率を95%以上に維持し、抗体保有率を高く維持すること、2)早期に患者を発見し、適切な感染拡大阻止策を行えるようサーベイランスを強化すること、3)感染するリスクの高い医療関係者、児童福祉施設関係者、学校関係者、海外旅行者、空港等不特定多数の人と接する機会の多い職場で働く人等へ必要に応じたワクチン接種を勧奨すること、等が求められています。

参照:

国立感染症研究所 麻疹とはhttps://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/518-measles.html 国立感染症研究所 麻疹 2020年2月現在https://www.niid.go.jp/niid/ja/measles-m/measles-iasrtpc/9569-482t.html