B型肝炎
B型肝炎とは
- B型肝炎はB型肝炎ウイルスの感染によって引き起こされる感染症です。
- 現在の日本で、患者の年齢を見ると14歳以下の小児、又は70歳以上の高年齢層の報告数は少なく、B型肝炎対策は母子感染予防処置の徹底と水平感染(人や物から周囲に広がる感染)、特に性感染対策の強化が重要であると言われています。
- 2006年4月~2015年12月の報告を見ると、男女ともに成人後の発症が多く、25~29歳にピークがみられます。
主な症状・経過
- 急性B型肝炎は比較的緩やかに発病します。微熱程度の発熱、食欲不振、全身倦怠感、悪心・嘔吐、右季肋部痛、上腹部膨満感、黄疸などの症状がみられます。
- 感染者が1歳未満の場合90%、1~4歳の場合は20~50%、それ以上の年齢では1%以下でキャリア(持続感染)に移行します。そのうち10~15%が慢性肝炎に移行し、さらにそれらの10~15%が肝硬変、肝がんに進行するとされています。
- 成人での初感染の場合、多くは一過性感染で自覚症状がないまま治癒し、まれに慢性化しますが、一般に予後は良好です。
特徴
原因となる病原体 | HBV(DNA型肝炎ウイルス) |
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感染経路 | 母子感染、水平感染(性交渉、消毒不足の器具を使ったピアスや入れ墨などによる血液や体液を介しての感染) |
この感染症を予防できるワクチン
B型肝炎ワクチン
※詳しくはかかりつけ医にご相談ください
<接種対象・スケジュール>
国立感染症研究所 予防接種スケジュール より作図
https://www.niid.go.jp/niid/images/vaccine/schedule/2021/JP20210802_03.pdf
多くの国や地域ですべての児(新生児、学童)にワクチンを接種する「ユニバーサルワクチネーション」が導入されています。ワクチン接種によって抗体を獲得し、HBVキャリア化しやすい小児期をHBV抵抗性に保持することが目的で、ユニバーサルワクチネーションの効果は接種対象となる小児のHBV感染を防ぐだけでなく、小児から大人への感染を防ぐ効果も期待することができます。
参照:
国立感染症研究所 B型肝炎とはhttps://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/321-hepatitis-b-intro.html 国立感染症研究所 B型肝炎ワクチンの定期接種についてhttps://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2347-related-articles/related-articles-438/6679-438r06.html