日本脳炎
日本脳炎とは
- 日本脳炎は主にコガタアカイエカが媒介する日本脳炎ウイルス感染によって起こるウイルス感染症で、ヒトに重篤な急性脳炎を起こします。ブタなどの動物の体内でウイルスが増殖した後、そのブタを刺したコガタアカイエカ(水田等に発生する蚊の一種)などがヒトを刺すことによって感染します。
- 日本脳炎は極東から東南アジア・南アジアにかけて広く分布しています。
- ワクチンが定期接種の日本では近年流行はありませんが、毎夏、日本脳炎ウイルスを持つブタおよび蚊は発生しており、国内では毎年数名の発症報告があります。
主な症状・経過
- 感染者の大半は無症候ですが、1~2週間の潜伏期を経て発症すると致命率は約20~40%で、発症者の半数には後遺症が残ります。
- 症状が出る場合には、数日間の高い発熱(38〜40℃あるいはそれ以上)、頭痛、悪心、嘔吐、眩暈などで発病します。その他、初発症状として全身倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛も存在します。
- これらに引き続き急激に、項部硬直、光線過敏、種々の段階の意識障害とともに、神経系障害を示す症状(筋強直、脳神経症状、不随意運動、振戦、まひ、病的反射など)が現れます。感覚障害は稀で、まひは上腕で起こることが多く、脊髄障害や球まひ症状も報告されています。
特徴
原因となる病原体 | 日本脳炎ウイルス |
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感染経路 | ブタでウイルスが増殖し、そのブタの血を吸った蚊(コガタアカイエカ)が媒介(人から人への感染はない) |
合併症 | 脳炎、脳浮腫 |
この感染症を予防できるワクチン
日本脳炎ワクチン
※詳しくはかかりつけ医にご相談ください
<接種対象・スケジュール>
1回目の接種後、1~4週間後に2回目を接種、その1年後に3回目を接種
国立感染症研究所 予防接種スケジュール より作図
https://www.niid.go.jp/niid/images/vaccine/schedule/2021/JP20210802_03.pdf
世界的には年間3〜4万人の日本脳炎患者の報告がありますが、日本と韓国はワクチンの定期接種によりすでに流行が阻止されています。ワクチン接種が日本脳炎の重要な感染・発症予防手段になっています。
参照:
国立感染症研究所 日本脳炎とはhttps://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/449-je-intro.html